便座上の独白

トイレの中で考えてたことを書きます

遍くすべての終着点

近所の二郎系ラーメンを食べた。

 

その店は記憶に依れば週の半分程度しか開いていなかった気がする

閉まっていたら今日の晩飯は抜きにするつもりだった

二郎しか入らない日、そんな日もある

しかし運命的なことに開いていた

店の前に男が一人並んでいたので、開店していることはすぐにわかった

 

その男はつい数時間前に受けていた部派仏教の講義で隣の席に座っていた男だった

机の上にスマホとイヤホンしか載っていなかったのでよく覚えている

かれは何をしにきたのだろうかと

講義が始まると今日のレジュメが机の上に広げられたので、やはり彼もまた自分と同じく講義を受けに来たのだと、ようやく確信できた

もしや山も谷もない古代の仏教の変遷を睡眠導入剤として使うためにやってきたのではないだろうかと、あるいは偶然会場に紛れ込んでしまった暇人なのではないかと思ったのだ

講義中に軽快なJpopが鳴り響く

発信源はすぐ隣だ

ワイヤレスならともかく有線イヤホンでそのミスはあり得るだろうか?と思ったが気にするようなことではない

 

とにかくその男が俺の前に並んでいたのだ

すぐに4人ほどの団体客が店を出たので、我々は隣り合わせで席に着いた

Jpopが教室に鳴り響いた瞬間、自分と彼との間に大きな溝が生まれたような気がした

しかしこうしてラーメン屋で再会し、肩を並べてラーメンを心待ちにしている

そのことに小さな感動を覚えた

店の奥をよく見てみるとラーメン屋に向かう道中、無灯運転でぶつかりかけた自転車の主も麺をすすっていた

事故未遂の直後は、殴る・蹴る等4通りほどの復讐を頭の中に思い浮かべ、少しでも気を晴らそうと努めた

しかしこうして対面するとなんでかどうでもよくなってしまった

いやそんなことない

殴りたい

店主が注文を取りに来た

いちいちオーダーの順序を思い出すのが面倒なので毎回全マシで頼んでいる

全マシを食べた

原7文目ほどの満足感だったのでどうしたものかと考えていると、友人が別の(いったことのない)二郎にいかないかと募集をかけているのが目につき、連絡した

さすがに200g、300gと食べる気はしなかったのだがミニラーメンがあるというので行くことにした

美味しかった