便座上の独白

トイレの中で考えてたことを書きます

関西散歩1日目の記録

以前わたしは誰も自分のことを知らない土地に行こうと関西方面に足を運んだ

大体4週間。なか2週間は独自通貨が流通する奇怪なる免許合宿場に行き、その前後の1週間ずつを大阪・兵庫・岡山・広島で過ごした。

 

結果的に自分が極度の寂しがり屋であることが判明した。

この(個人的には)衝撃の事実の発覚のおかげで、少々後ろめたい理由で始まった散歩に意味づけすることができた。それはとても自己満足的で、他人に与えた損害については何も変わらないのだが。

その際日記をつけていたので記録の記録ということでアップロードすることにした。

 

以下本文

 

飛行機が着陸した。

飛行機が着陸する感覚は癖になる。

 自由なようで不自由な空の旅から解放されることを予期させるドスンッという音/衝撃そして続く振動はまるでアトラクションのようだ。また自分は頻尿(というか「行けない」ことを意識すると「行きたくなる」タチなのだ)であるので基本的に通路側に座る。なのでこの衝突が発生するタイミングがまったくわからない。いつあの全身が揺さぶられる感覚が訪れるのだろうという不安もゲームのようでうれしい。

また離陸時も同様に楽しい。その大きな体には不釣り合いとも思える車輪でゆったりとフォームを整え、態勢に入ると突然の轟音とともに両の肩が後ろに引っ張られるほどの加速。この唐突さに失笑してしまう。「おお、やってるやってる」離陸時はそのような感情を飛行機に対して抱く。

 

着陸の合図とともに乗客は一斉にスマホを取り出す。自分もまた、本日泊めてもらう予定であった友人宅に無事辿り着けるのかが不安になり、機内モードを切りマップを開き、友人宅への経路案内を検索した。

所要時間は「7時間26分」。目を見開いた。7時間26分?俺はどこに行くつもりなんだ?こいつは大阪に住んでいるのか?詳細を確認すると理由は分かった。実は飛行機に遅延があり出発が30分遅れたのだが、これによって終電を逃してしまったのだ。もともとギリギリ間に合うか間に合わないかという時間のフライトだったが、この遅延によってその運命が確定してしまった。

やってしまった。そう思いながら友人に連絡を取る。「じゃあ今日は一人寂しく寝るよ」と返信があり一安心したところで次なる問題に気が付く。「今日何処に泊まればいいんだ?」

 

飛行機を降り大阪の大地に降り立つ。6月中頃になってなお肌寒い札幌とは異なり、ここは生ぬるい風が吹いている。ここなら駐車場の通路で野営してもいいではないだろうか。そう思いながら空港のロビーへ。死んだ目をした人々がベンチに座っている。ベンチ?そうか空港内に泊まればいいんだ。なんか空港内で生活する人の映画もあったし。

国内線より国際線の方が問題なさそうだし、と思い国際線のロビーのレゴブロックのようなソファの一角を陣取る。さっきの映画ってよく考えたら状況が全く違うよなぁと思っていると、韓国からの飛行機がやってきた。降りてきたのは若いねーちゃんたち。とはいっても自分の方が確実に若いのだが。「同伴がさ~」と夜職っぽい会話をしているので、このまま食われたりとかしないかなとドキドキしてしまう。もちろんそんなことがあるはずもなく、ロビーは神戸行連絡船のカウンターのおっちゃんと自分の二人きりとなった。突如薄暗い室内に響き渡るタイガースの応援歌。ここが大阪であることを実感する。

しばらくは日本人向けのパンフレットと外国人向けのパンフレットを手に取り、紹介する場所やものが違ったりするだろうかと見比べていた。しかし多少の違いがあるくらいで大した差が認められなかったので手持無沙汰になってしまった。

 

さて「1泊させてもらうからには」と買った白い恋人をどうするかが当面の問題だ。