「コメ研ぎはエロい」
目が覚めた途端に頭の中に思い浮かんだ思想だ
ぼんやりとだが、この真理に辿り着いた瞬間涙が出そうになった記憶がある
しかし前後の流れや周囲の状況は全く思い出せない
理屈は覚えている
「人格排泄というマニアックな性的嗜好では、人格排泄ゼリーに精神を強制的に転移され、漏らしてしまうと精神は肉体を離れ、抜け殻となってしまう。
コメのぬかを『コメの人格(精神)』と捉えるとコメ研ぎをしている時、我々はコメの精神と肉体を強制的に分離している。コメは当然人格を失いたくないからぬかが取れないように踏ん張る。しかし他のコメと擦れ、我慢できずぬかをはがしてしまう。そしてコメの人格たるぬかは排水溝に流されることとなる。」
いや、「おかしいだろ」という意見はもっともだ
もしかしたら人格排泄愛好者に「それでは人格排泄のすばらしさが損なわれているではないか」とか言われるかもしれない
でも目が覚めた瞬間から、このアイデアが俺の体を支配しているのだ。
よく考えてみると昨日は何か変だった
異様に眠く、時間は確認していないが21時くらいに寝て8時に起きた。
いつもの睡眠時間と比べると異様だ。
まさか誰かが優秀な「設計士」と「偽装士」と「調合士」を引き連れてインセプションしたのか?
第3階層の病棟で「コメ研ぎは人格排泄とよく似ている」と書かれた親父の遺書を見て泣き崩れたのか?
俺に「コメ研ぎはエロい」と思わせるためだけに虚無におちて何十年も過ごす羽目になった奴がいるっていうのか?
そしてコブ、子供たちに会えてよかったね